2011年7月18日月曜日

『givim selen』

近づいてきて、最初に言われた言葉は、
『givim selen (お金ちょうだい。)』
驚いて、固まってしまった。
ソロモンにきて、初めて言われた。

東南アジアを旅したときは、子供からも大人からもよく言われたこの言葉。
だけど、ソロモンでは今まで言われたことがなかったの。
どちらかと言えば、貧困なのは、ソロモンの方だと思う。
だけど、ソロモンには浮浪者もいなければ、孤児もいないし
物乞いもいない。スラムもない。
それは、ワントクシステムがあるから。


現地語のピジン語以外にも、ラングスと呼ばれる
地域の言葉がたくさんある。
それは、英語を基調としたピジン語とは全然違って、
聞いていても全然わからない。
同じラングスを話す人は、皆、仲間"というワントクシステム。
そのワントクシステムがあるから、ワントクのところに行けば、
とりあえずどうにかなるから、飢えもない。
大丈夫なのだ。
それに、そこらじゅうにバナナ、パパイヤ、ナッツ、ココナッツがなっているし、
海では魚が釣れる。
飢えるなんてことはない。

官僚系の汚職問題(横領)とかは意外なことに、日本と同じく!?多い、この国。
お金の欲に負けてしまってる大人がいるのも事実。
そのお金はワントクを養うのに使うっぽいんだけど。
それは日本と違うところだよね。

ある時、巡回クリニックで訪れた村で、2ドル札(約22円)を拾った。
同僚に渡したら、ちゃんとその村の人に渡して、『落とし主を探してね』と言ってた。
たったの2ドルと言っては、申し訳ないけれど、それでも、の対応。
正直な対応になんだかホッとしたこともあった。
まぁ、教会の前だったというのもあるんだろうけど。

自称15歳のこの少年。


本当は10歳くらいじゃないかなぁと思う、学年聞いたらデタラメだったし。
ジョークというか妄想話!?好きなソロモン人。
だから、嘘をついてるって感覚ではないかもしれないんだけど。
しばらく話してたら、ソロモンで出会う普通の少年に見えたけど。
初対面の私に、お金ちょうだいと言った彼は、
いったいどんな大人になるんだろうか、ちょっと気になる。

持ってるものや着てるものはとりあえず、何でも褒められる。
どんなものだろうと。
いろんなバリエーションがある日本のものと違って、
ソロモンには、本当に種類が少ないのだ。
それに質も全然良くない。
最初はそれもちょっとうんざりしてたけど、今は、褒め返し作戦で
お互い様にして、自分を丸め込んでる。

だけど、ダイレクトにお金と言われたのは、やっぱり衝撃的だったよ。
ほんと。

駒ヶ根研修所に置いてあった看板の、ある隊員の印象的な言葉。
マラウイの子供たちがいつも、食べ物ちょうだいと言ってくる。
ある時、その隊員が『おなかすいてるから、食べ物ちょうだい』と言い返した。
そしたら、その子はどこかへ走っていって、食べ物を差し出してくれた。って。
その瞬間から、マラウイの文化をちゃんと受け入れようと思ったと書いてあった。

受け入れるって、深いよね。
感じるとか、理解するとか、それだけじゃないんだもん。
でも、とても重要なことだね。

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